SVの待遇改善!キャリアアップで年収450万円を超える方法|転職を視野に入れて考えよう

SVの待遇改善!キャリアアップで年収450万円を超える方法|転職を視野に入れて考えよう
  • 業務量や責任に対して、年収が低く割に合わないと感じている
  • キャリアが長年停滞していて、将来に不安がある
  • ITやマネジメントのスキルを身につけたいが、忙しすぎて時間が取れない

SVの待遇改善!キャリアアップで年収450万円を超える方法|転職を視野に入れて考えよう

コールセンターで働くスーパーバイザーやチームリーダー(以下SV)の年収は「350~450万円未満」が最多です。国税庁の「令和4年民間給与実態統計調査」の1人当たり平均年収458万円と比べても十分な待遇とは言えません。

キャリアアップしたくても、多くのSVが「オペレーターのフォローや指導、教育」に時間を費やしており、新しいスキルを学ぶ時間が取れないのが現状です。

この記事では、年収とキャリアをアップするための転職活用方法をお伝えいたします。記事を読めば、半年後は今よりも高い年収とキャリアが得られるでしょう。

私が人事の採用部門にいたときは、転職を利用して年収とキャリアをアップさせた中途入社の社員を多く見てきました。私のコールセンター業界歴18年の知見を余すことなく凝縮しているので、待遇をアップさせたいと強く思う方は、ぜひ最後まで読んでください。

年収とキャリアアップを実現するための転職術

  • SVになって3年以上、ポジションが変わっていない
  • 自分の周りのSVも3年以上昇進していない
  • 給与は定期昇給のみで大きくアップしていない

このような場合は、社内での昇進チャンスを待つよりも転職した方が年収アップする可能性は高く、今よりも高いポジションで採用されることもあります。

コールセンターSVの年収とキャリアがアップしない理由

年収をアップさせるためには、現在より上位の役職にならなければなりません。シニアSVやマネージャーになれば、給与テーブルも上がるため年収もアップします。

コールセンターには多くのSVが所属しており、昇進希望者も多いです。評価者から見ると、SVのスキルは比較しずらく評価に差をつけることが難しいため、昇進も年功序列になりがちです。

オペレーターから着実に経験を積んできた生え抜きのSVの多くが、昇進試験の推薦待ちをしている場合、推薦されるまでに数年待ちということもあります。

転職先では上位職で入社できる場合もある

転職先の新しい会社では相対評価となります。前職がSVであっても、新しい会社では上位職の実力があると判断された場合、シニアSVやマネージャーとして入社をすることができます。

SVの職位で新しい会社に入社した場合でも相対的に実力があれば、シニアSV候補として入社できるので、時間はかからず昇進することができます。

今の職場で年収・キャリアアップを目指す方法

あなたが非正規社員のSVならば、まずは正社員登用を目指しましょう。深刻な人材不足と同一労働同一賃金の背景から、SVの正社員化は急速に進んでいます。正社員になることで、待遇面が格段に向上しキャリアの幅も広がります。

あなたが既に正社員のSVであるならば、管理職昇進試験を受けましょう。マネージャー以上の管理職になれば、さらに待遇が上がり、満足が得られる給与水準になります。

社内の昇進は推薦が前提

社内の昇進試験を受けるためには、上長からの推薦が必要です。新年度の4月から始まる新組織に昇進者を当てることが多いため、10月頃に昇進試験を受ける候補者が選出されます。

11月から翌年2月くらいまでに、筆記試験、面接、プレゼン試験などが実施されます。2月〜3月初旬までには昇進候補者の合否審査が行われ、昇進者が決まります。

部署ごとに設定された人件費の予算があるため、昇進試験が受けられる推薦者の人数はあらかじめ決められています。推薦漏れになった場合は、翌年の推薦時期まで待たなければなりません。

販売管理部門への異動で昇進を早める

推薦待ちの人数が多く、昇進試験を受けるまでに2年以上かかりそうな場合、コールセンターの現場勤務から別の部署に異動希望を出すことも、昇進を早める手段のひとつです。

本社はコールセンターに比べ部門の人数規模が小さいため、スキルや資質があるなら昇進試験の推薦も早くなります。本社には営業、マーケティング、DX、人事、総務、経理など販売管理部門が集中しています。

多くのSVが所属するコールセンターで均一評価されるより、人数規模が少ない販売管理部門の方が評価者との距離が近くなります。販売管理部門に異動することで、コールセンターの現場では考えられないくらい早く昇進できた社員は少なくありません。

本社の販売管理部門でコールセンター以外の職種を経験することは、キャリアの幅を広げたり、他の可能性を見出せるメリットもあります。コールセンターの運用業務にこだわりがなければ、異動という手段も有効です。

社内昇進も異動も難しいなら転職がベスト

会社によっては社内昇進や異動が難しいケースもあります。

  • 現場では年功による昇進希望者が順番待ちであり、自分はだいぶ後になる
  • 自己都合での異動は逆に評価を下げられてしまい、昇進試験の推薦どころではなくなる
  • 販売管理部門ではなくコールセンター運用で給与・キャリアアップを成し遂げたい

社内昇進や異動が難しく、コールセンター運用で実力をつけていきたい場合は、転職が年収とキャリアアップの近道です。自分のスキルの市場価値を知るためにも、転職エージェントを通じて活動するメリットは非常に多いです。

  • 自分のスキルと経験に対しての給与水準がわかる
  • 自分が思っていた以上に自分に対してニーズがある
  • コールセンター以外の選択肢も発見できる

転職先は慎重に選ばなければなりませんが、転職活動はノーリスクです。今の会社に残る、好条件で転職先を確保するなど、選択肢があれば落ち着いて重要な決定ができます。

年収とキャリアアップに必要なスキル

転職を活用して年収をアップさせるためには、コールセンター現場のオペレーション管理にとどまらず、マネジメントスキルやITスキル、社会人としての基礎力が必要です。

身につけておきたいITスキル

実践的なITスキルは、ツールの使用経験です。最近ではAIやSaaSを活用することで、業務効率の向上が重要視されています。

SaaSとは「Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)」の略で、インターネットを通じて利用できるソフトウェアサービスのことです。身近な例でいえばGmail、Googleドライブなど、ビジネスツールで有名なものはSalesforce、kintoneなどが該当します。

今の業務で使用しているSaaSの棚卸しをして、利用経験をまとめてください。利用するだけではなく、業務用に設計支援をしたり、カスタマイズした経験があればさらなるアピールポイントとなります。

AIで有名なツールはChatGPTです。社内で導入しているAIツールがあれば棚卸しをしておき、導入がまだなら個人で使うのもひとつの手段です。ChatGPT以外にも無料で気軽に使えるAIツールはいくつもあるので、積極的に利用しましょう。

国家資格の「ITパスポート」の取得もおすすめです。ITの基本的な知識があることを証明できますので、採用側も着目することも。ツール利用の経験と資格試験で得た知識が合わされば、身につけたITスキルはより深みを増します。

マネジメントスキルは自然に身につかない

SVの約90%が「オペレーターのフォローや指導、教育」に多くの時間を費やしていますが、1人ひとりの部下に寄り添うタイプのマネジメント経験だけでは不十分です。

マネジメントはチーム全体を俯瞰し、経営課題を捉えつつ組織を導いていく必要があります。戦略やシステムも含めた業務の理解や、コストを考えて効率よくコールセンターのパフォーマンスを引き上げるための経営視点も必要です。

とは言ってもSVの業務では経営視点を持つのが難しいもの。「経営者ではないのに、どうやったら経営視点を持てるのか」と思われますが、経営視点を持つと言うことは、会社の成長や利益を意識することです。

特に「数字を意識する」「会社の目的を考える」「市場の動向を知る」という3つのポイントを押さえることが大切です。SVであればセンターのKPI、オペレーターのパフォーマンスデータ、自分が所属しているセンターの売上は抑えておきましょう。

組織全体を考慮したマネジメントができる能力は、高く評価されます。まずは、マネージャーや管理職のミッションを理解して、業務支援に積極的に入ることが最初の一歩になります。

社会人としての基礎力

非正規社員もしくは派遣社員のオペレータとして入社して、長年経験を積みながら昇進してきたSVはおおよそ9割に上ります。

コールセンターの現場に特化した実力はあるものの、新卒から正社員で入社する企業のように、手厚い新人研修を受講したり、先輩社員に同行してクライアント対応をするようなOJTの経験はありません。

ビジネス経験の不足や、新聞を読む習慣がなかったり、時事問題に疎い状態からSVとして生え抜きで育っているため、社会人としての基礎力が十分ではありません。

コールセンターの現場経験だけをアピールしてしまうと、視野の狭さが際立ってしまい、転職時の面接で不利になりかねません。普段からビジネス書、日経新聞などの質の高いニュースへの接点を増やし、コールセンターカンファレンスなどのイベントへ出席して情報収集を欠かさないようにしましょう。

外部の研修を受講したり、営業部門の担当者とクライアント先に同行するなど、現在の環境とは異なる人と行動すると自分に足りない部分がわかってくるものです。転職エージェントはコールセンターSVに足りていない社会力がわかりますので、どのようなスキルが必要なのか確認することができます。

転職先選びのポイント

転職活動を行う際、給与だけでなくキャリアパスやスキルアップの機会があるかどうかも重要です。選ぶべき転職先は、次のポイントに注目してください。

キャリアパスが明確になっているか

転職先で年収アップが見込まれていても、その後のキャリアアップが続かなければ、年収も頭打ちになってしまいます。転職後のキャリアパスについては必ず確認しましょう。

転職後はSV以上のポジションになれるのか
あなたが今SVであるならば、転職先ではSVより上のシニアSV以上が理想です。転職したら少なくともSVよりも下のポジションにならないよう注意してください。
同じSVで転職なら次のポジションにどれくらいかかるのか
SVのポジションで転職した場合、シニアSVやマネージャーになるためにはどれくらいの年数がかかるのか確認しましょう。「今いる職場でSVを続けた方が昇進が早かった」は避けたいです。
オペレーターからの生え抜き管理職はどれくらいいるのか
マネージャー以上の管理職になるためには、大学卒業が条件となっている企業もあります。大学卒業が条件ではない会社でも、管理職以上の学歴は大卒ばかりだったということも。
オペレーターからの生え抜き管理職社員が多い会社は、身につけてきたスキル、マネジメント力が正しく評価される会社であることがわかります。

スキルアップの機会はあるのか

新しい会社に入社した後も、スキルアップを継続しなければキャリアを上げていくことはできません。以下の内容も転職エージェントを通じて確認しましょう。

  • 社内研修は充実しているのか
  • 社内研修が充実していない場合、外部の研修は積極的に受講できるのか
  • 社内でAIやSaaSを積極的に活用しているのか

 独学や実務の経験だけだと断片的になりがちな知識を、研修を通じて体系的に学ぶことで理解が深まり、応用しやすくなります。

実践経験と体系的な学習でスキルをアップさせれば、業務の質が安定しチーム全体のパフォーマンス向上につながります。実績を作れば、自ずとキャリアもアップしていきます。