ビジネスの電話で「もしもし」は失礼?使わない理由と正しい言い方を紹介

ビジネスの電話で「もしもし」は失礼?使わない理由と正しい言い方を紹介
  • ビジネスの電話で「もしもし」と言ってよいか迷う
  • 電話対応で適切な言葉遣いがわからない
  • 電話応対のマナーを向上させたい

ビジネスシーンでの電話対応は、会社の印象を左右する重要なスキルです。しかし、日常会話で使う言葉を使ってしまい、適切な電話対応ができていないケースは多くあります。

この記事では、ビジネスで「もしもし」を避けるべき理由や、代わりに使えるフレーズ、NGワードについて詳しく解説します。記事を読めば、プロフェッショナルな電話対応のスキルが身に付き、ビジネスにおけるコミュニケーションの質の向上が可能です。

ビジネスの電話では「もしもし」の代わりに「はい、○○でございます」など、丁寧な表現を使うことが重要です。相手の名前を確認し、明確に聞き取れる声で話すとビジネスの電話でのスムーズな対応が可能になります。

ビジネスで「もしもし」を避けるべき理由

ビジネスの電話で「もしもし」を使用するとプロフェッショナルな印象を損ない、カジュアルすぎる印象を与えます。フォーマルさに欠ける電話対応は、効率的なコミュニケーションを妨げ、顧客との信頼関係に悪影響を及ぼす可能性もあります。

「もしもし」は日本のビジネスシーン特有の慣習であり、国際的なビジネスの場では通用しません。「もしもし」は相手に意図が伝わらないだけでなく、ビジネスとしては不適切な対応と見なされることもあります。

ビジネスで「もしもし」の代わりに使えるフレーズ

ビジネスの電話で「もしもし」の代わりに使えるフレーズを、以下のシーンごとに解説します。

  • 電話を受けるとき
  • 電話をかけるとき
  • 相手の声が聞こえない・電話が切れそうなとき

電話を受けるとき

ビジネスの電話を受けるときは「はい、○○でございます」と会社名や部署名を名乗りましょう。「お電話ありがとうございます」と感謝の言葉を述べると、電話の相手への丁寧さが伝わります。

ビジネスの電話を受けるときの対応例は以下のとおりです。

  • 常連客の場合:「いつもお世話になっております」
  • 待たせた場合:「お待たせして申し訳ございません」
  • 電話を保留にする場合:「少々お待ちください」
  • 相手の要望を受け入れる場合:「かしこまりました」
  • 通話を終了する場合:「お電話ありがとうございました」

初めて電話を受ける相手には「失礼いたします」と丁寧に対応し、相手の名前と用件を確認することも重要になります。相手の話を遮らずに最後までメモを取りながら聞くと、重要な情報を聞き逃さずに済みます。相手の言葉を復唱して内容を確認すると、ビジネスの電話での誤解を防ぐことが可能です。

電話をかけるとき

ビジネスの電話をかける際は、自社名と自分の名前を明確に伝えると相手に安心感を与えられます。長々と説明せず、要点をまとめて伝えることが、ビジネスの電話をかける際のポイントです。ビジネスの電話では、相手の時間を尊重しながら電話をする姿勢が大切です。

ビジネスシーンの電話では、相手の都合の確認も忘れないようにしましょう。「お時間よろしいでしょうか」などと尋ねることで、ビジネスの電話の相手への配慮を示せます。ビジネスの電話では適切な敬語を使用し、明るく丁寧な口調を心がけるとプロフェッショナルな印象を与えられます。

相手の声が聞こえない・電話が切れそうなとき

ビジネスシーンの電話対応で、相手の声が聞こえにくい場合に使えるフレーズは以下のとおりです。

「申し訳ありません。お電話が遠いようです。もう一度おっしゃっていただけますか?」

ビジネスシーンの電話対応で、電話が切れそうな場合に使えるフレーズは以下のとおりです。

「申し訳ありません。電波状況が悪いようです。かけ直してもよろしいでしょうか?」


「もしよろしければ、この後のご連絡をメールでのやり取りに切り替えさせていただくことも可能でございます」


「少々お時間を頂戴し、改めてこちらからお電話を差し上げるという形でもよろしいでしょうか。ご都合をお聞かせいただけますと幸いです」

電話が切れた場合は直ちにかけ直し「大変失礼いたしました。電話が切れてしまいました」と謝罪しましょう。常に相手の立場に立って丁寧な対応を心がけることが、ビジネスにおける電話対応の基本です。

「もしもし」以外のビジネスにおけるNGワード

「もしもし」以外のビジネスにおけるNGワードは以下のとおりです。

  • お名前を頂戴できますか
  • なるほど
  • わかりました・了解しました
  • わかりません・できません
  • お電話をお回しします

お名前を頂戴できますか

「お名前を頂戴できますか」は、ビジネスでは丁寧過ぎて堅苦しく感じられる可能性があります。ビジネスで相手の名前を聞く際に推奨されるフレーズは、以下のシンプルかつ明確に意図が伝わる表現です。

  • 恐れ入りますが、お名前をお聞かせいただけますでしょうか
  • 失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか
  • 差し支えなければ、お名前を教えていただけますか

ビジネスにおけるコミュニケーションでは丁寧さも重要ですが、必要な情報を円滑に得るためのバランス感覚も求められます。

なるほど

「なるほど」は、ビジネスの場面では軽く聞こえる可能性があるため、より丁寧な表現を使いましょう。ビジネスシーンの電話対応で、相手の話をしっかりと受け止めていることが伝わる表現は以下のとおりです。

「承知いたしました。ご説明いただいた内容について確認させていただきます」

「ご説明ありがとうございます。今のお話を踏まえて対応させていただきます」

「かしこまりました。ただいまの件について上司に報告いたします」

丁寧な表現を使うことで相手の話をきちんと理解し、次のアクションにつなげる姿勢を示せます。

わかりました・了解しました

「わかりました」や「了解しました」は曖昧な言い方のため、相手の要望を正確に理解していない印象を与える可能性があります。プロフェッショナルな電話対応をするためには、以下の応答や確認を行うことが大切です。

  • 「承知いたしました」などの丁寧な表現を使う
  • 相手の要望や指示を復唱して確認する
  • 次のアクションの対応を明確に伝える

質問がある場合は電話中に確認しておきましょう。

わかりません・できません

「わかりません」や「できません」は問題解決への意欲を感じられないため、顧客満足度を下げる可能性があります。「わかりません」や「できません」の代わりに「確認させていただきます」と伝えると、積極的に対応する姿勢を示せます。

ビジネスシーンの電話対応では「申し訳ございませんが、〇〇は難しい状況です」のように、理由を添えて説明することが大切です。ビジネスの電話では「〇〇までお待ちいただければ対応可能です」など、具体的な代替案や解決法を示しましょう。上司や他部署に確認する旨を伝え、後日回答する方法もあります。
» コールセンターでのクレーム対応時のコツや手順を解説

お電話をお回しします

「お電話をお回しします」は、相手を待たせる印象を与えてしまうため避けるべき表現です。ビジネスシーンの電話対応では、つなぐ部署や担当者の名前を明確に伝えると相手に安心感を与えられます。「お電話をお回しします」を言い換える例は以下のとおりです。

「営業部の田中に直接おつなぎいたします」

電話を転送する前に「営業部の田中におつなぎしてもよろしいでしょうか」と確認してください。相手の同意を得てから電話を転送すると、スムーズな対応が可能です。電話を転送する際は相手の名前や用件、緊急性の有無を忘れずに伝えると、受け取る側も適切な対応ができます。

担当者が不在の場合は相手の連絡先を確実に聞き取り、折り返しの連絡を約束することが大切になります。相手に折り返し連絡をする際の例は以下のとおりです。

「申し訳ありません。田中は只今外出しております。折り返しのご連絡を承りますが、よろしいでしょうか」

ビジネスにおける電話対応のポイント

ビジネスにおける電話対応のポイントは以下のとおりです。

  • 待たせない
  • 明るい声ではっきりと喋る
  • メモ・復唱を忘れない

待たせない

ビジネスシーンの電話対応では、相手を待たせないことが大切です。電話で顧客満足度を高め、スムーズなコミュニケーションを実現できる取り組みは以下のとおりです。

  • 着信後3コール以内に応答する
  • 保留は30秒以内にする
  • 長時間保留時は途中経過を報告する

ビジネスの電話対応では、相手を待たせないために電話を取る前に手元の作業を終わらせておくことも大切です。電話の転送が必要な場合は、必ず相手の了解を得てから行ってください。転送先が話し中の場合は直ちに対応し、不在の場合は代理の人を探すか折り返し電話を提案するなどの対応が求められます。

電話で即答できない質問には、調査後の連絡を約束しましょう。複数の問い合わせがある場合は、優先順位を付けて対応することが重要です。電話を切る際は、相手が先に切るのを待ちましょう。

明るい声ではっきりと喋る

明るい声ではっきりと話すと電話の相手に好印象を与え、コミュニケーションをスムーズに進められます。明るい声で話すためには、口角を上げて笑顔を意識することがポイントです。ビジネスの電話でも笑顔で話すと自然と声のトーンが明るくなります。

適度な声の大きさと抑揚を意識すると相手にとって聞き取りやすく、印象に残る応対ができます。ビジネスにおける電話応対では、言葉をゆっくりと丁寧に発音することを心がけましょう。話す際は適切な間を意識的に取ると、電話の相手は内容を理解しやすくなります。

ビジネスの電話では話すスピードも重要なため、電話の相手が聞き取りやすい速度を保ってください。ビジネスの電話では正しい姿勢で臨むことも、クリアな音声を相手に届けるうえで必要です。背筋を伸ばし、顎を引くと電話での声の通りが良くなります。

メモ・復唱を忘れない

ビジネスの電話でのメモと復唱は、正確な情報伝達と顧客満足度の向上につながります。ビジネスの電話でメモを取る際に注意すべきポイントは以下のとおりです。

  • 日時
  • 金額
  • 数量
  • 名前
  • 住所

復唱は、相手の話を正しく理解するために言葉をそのまま繰り返して確認する方法です。復唱することで情報の誤認を防ぎ、正確なやり取りができるようになります。ビジネスの電話で復唱する際は「〜ということでよろしいでしょうか」と確認しましょう。

ビジネスシーンの電話でメモを取る際は、後で見返しても理解できるよう明確に記録することも大切です。複雑な内容は箇条書きにすると、整理しやすくなります。

ビジネスにおける電話対応のよくあるトラブルと対処法

ビジネスにおける電話対応のよくあるトラブルと対処法は以下のとおりです。

  • 相手の声が聞き取りにくい
  • 電話が途中で切れた
  • 間違い電話がかかってきた

相手の声が聞き取りにくい

ビジネスで電話の相手の声が聞き取りにくい場合、周囲の雑音を減らすために静かな場所に移動し、落ち着いて対処しましょう。電話の相手に声を大きくしてもらうよう丁寧に依頼します。ビジネスの電話で相手の声が聞き取りにくい場合の対処例は以下のとおりです。

「申し訳ありません。お声が少し聞き取りにくいのですが、もう少し大きな声でお話しいただけますか」

電話の音量設定を確認し、必要に応じて調整してください。ヘッドセットや受話器を正しく装着していても聞き取りにくい場合は、電波状況や回線の品質に問題を抱えている可能性があります。自分が別の場所に移動したり、Wi-Fiに接続し直したりすると、電話の相手の声が聞き取りやすくなる場合があります。

電話の相手の声が聞き取りにくい場合は「〇〇とおっしゃいましたでしょうか」と確認すると、聞き間違いを防ぐことが可能です。電話で聞き取れなかった部分については「恐れ入ります、〇〇の部分をもう一度お願いできますか」と相手に質問しましょう。

電話の声が聞き取りにくい状況が改善しない場合は、メールや他の通信手段に切り替えることも提案しましょう。「申し訳ありません。回線の状態が悪いようです。メールでご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」と伝えてください。電話機器の故障の可能性がある場合は、別の端末での通話を試みましょう。

電話が途中で切れた

ビジネスの電話が途中で切れた場合、直ちに相手に電話をかけ直すと相手に誠意を示せます。ビジネスの電話をかけ直す際の対応の手順は以下のとおりです。

対応ステップ具体的な会話例ポイント
1.謝罪の言葉「先ほどは突然電話が途切れてしまい、大変申し訳ございませんでした」電話が切れたことに対する謝罪を丁寧に伝える
2.切れた理由の説明「こちら側の通信環境に一時的な問題があった(または、具体的な理由)ようでございます。」可能であれば、簡潔に理由を説明すると、相手に状況を理解してもらいやすくなる
3.会話の続きから再開「お手数をおかけいたしますが、先ほどお話ししておりました内容の続きから再開させていただいてもよろしいでしょうか」スムーズに会話を再開できるよう、相手に確認を取る
4.重要な情報の復唱「念のため、最後に確認させていただきました重要な情報、例えば〇〇という点について、再度復唱させていただいてもよろしいでしょうか」認識のズレを防ぐため、途切れる直前の重要な情報を復唱し、確認を求める

電波状況が悪い場合は、メールやビデオ通話などの連絡手段の提案も検討しましょう。再発防止のため、電波状況の良い場所に移動することも大切です。ビジネスの電話の相手に都合を確認し、適切な時間に再度電話するとスムーズなコミュニケーションを図れます。

間違い電話がかかってきた

ビジネスで間違い電話がかかってきた場合、冷静に対応することが大切です。電話の相手の言い分をよく聞き、丁寧に「お電話を間違えられたようです」と伝えましょう。相手の探している番号や相手先を確認し、正しい番号がわかる場合は教えます。相手の探している番号がわからない場合は番号案内サービスを紹介しましょう。

ビジネスシーンの間違い電話では相手に謝罪を求めたり、責めたりしないことが重要です。間違い電話の内容は記録し、頻繁に間違い電話がある場合は上司に報告しましょう。ビジネスシーンで間違い電話を防ぐためには、自社の電話番号を正確に案内することが大切です。

まとめ

ビジネスにおける電話対応は、企業の印象を左右する重要な要素です。ビジネスの電話では「もしもし」の使用を避け、適切なフレーズを使うとプロフェッショナルな印象を与えられます。基本的なマナーを守り、明るい声ではっきりと話すとビジネスの電話の相手に好印象を与えられます。

メモを取ることや復唱を忘れないことは、ビジネスの電話において円滑なコミュニケーションの基本です。「もしもし」を使用せず基本的なマナーや対応に気を付けると、ビジネスにおける電話対応のスキルを向上させられます。
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