コンタクトセンター検定でキャリアアップ!検定の種類や試験内容を徹底解説

コンタクトセンター検定でキャリアアップ!検定の種類や試験内容を徹底解説

キャリアアップのために資格を取りたいけれど、何から始めれば良いか迷っている方も多いのではないでしょうか。コールセンター業界でキャリアを積んできた方なら、専門性を証明する資格の重要性を感じているはずです。

この記事ではコンタクトセンター検定の種類や試験内容、申し込み方法、効果的な勉強法まで解説します。記事を読めば検定の全体像がわかり、自分に合った資格選びと合格への道筋が見えてきます。

コンタクトセンター検定は業界で認められた専門資格です。資格取得によりスキルが評価され、正社員登用や管理職への道が開けます。コールセンター管理者からキャリアアップを目指す方は、ぜひ挑戦してみましょう。
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コンタクトセンター検定(コン検)の基礎知識

コンタクトセンター検定は、コールセンター業界で働く方のための専門資格です。一般社団法人日本コンタクトセンター教育検定協会が認定する民間資格で、業務経験や役職に応じて5つの資格に分かれています。コンタクトセンター検定の基礎知識として、資格の目的と認定団体を解説します。

コンタクトセンター検定の目的

コンタクトセンター検定の目的は、業界全体の品質向上とスキルの標準化です。コンタクトセンター検定を通じてオペレーターから管理者まで、さまざまな立場のスキルを客観的に評価できます。企業側のメリットは、従業員のスキルを統一基準で評価できる点です。

共通言語としてCMBOK(シンボック)を活用する企業は、業務効率の改善も期待できます。CMBOKとは、コンタクトセンターのマネジメント知識とスキルを体系的にまとめたガイドラインです。CMBOKはコンタクトセンター検定試験に必須な知識体系として、一般社団法人日本コンタクトセンター教育検定協会が提供しています。

コンタクトセンター検定の認定団体

コンタクトセンター検定を認定している団体は、一般社団法人日本コンタクトセンター教育検定協会です。協会は2010年から検定試験を開始し、業界の標準になる資格制度を確立しました。協会は公益社団法人企業情報化協会(IT協会)と連携し、1981年から続く歴史ある組織のノウハウを活用しています。

協会の主な活動は、コンタクトセンター業界の調査研究や情報提供、検定試験の企画・運営です。富士通コミュニケーションサービスやリコージャパンなどの大手企業が、コンタクトセンター検定を社員教育に導入しています。

コンタクトセンター検定の種類

コンタクトセンター検定は、以下の経験や役職に応じて5つの資格に分かれています。

  • エントリー資格
  • オペレーター資格
  • スーパーバイザー資格
  • オペレーションマネジメント資格
  • コンタクトセンターアーキテクチャ資格

オペレーションレベルはエントリー資格とオペレーター資格、スーパーバイザー資格です。プロフェッショナルレベルはオペレーションマネジメント資格とコンタクトセンターアーキテクチャ資格です。

エントリー資格

エントリー資格は、コールセンター未経験者や学生を対象とした入門レベルの資格です。受験者は年齢や経験を問わず誰でも挑戦でき、受験資格に制限はありません。エントリー資格では基礎的なビジネスマナーや電話応対の知識が問われるため、業界への第一歩として最適です。

エントリー資格の受験料は一般価格3,850円、会員価格3,465円とリーズナブルな価格設定になっています。エントリー資格の合格率は約78%と高く、受験者がしっかり準備すれば合格可能です。未経験からの転職を考えている方にとって、エントリー資格は採用面接での大きなアピールポイントになります。

オペレーター資格

オペレーター資格は、実務経験1~3年程度の方を対象とした資格です。オペレーター資格は顧客対応の品質向上を目指し、電話・メール・チャットなどの対応スキルを評価します。オペレーター資格の受験料は一般価格7,700円、会員価格6,930円で、合格率は約72%です。

オペレーター資格ではビジネスマナーや言葉遣い、個人情報保護、基本的なITスキルなど幅広い知識が問われます。オペレーター資格取得者は社内での評価向上や、より良い条件の転職につながる可能性があります。
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スーパーバイザー資格

スーパーバイザー資格は、3年以上の実務経験を持つ管理者向けの資格です。スーパーバイザー資格はオペレーターの指導育成やチーム運営に必要な知識とスキルを評価します。スーパーバイザー資格で求められる能力は以下のとおりです。

  • 顧客満足度向上のための施策立案
  • 品質管理と業務改善の実践
  • チーム運営とリーダーシップ
  • データ分析とレポーティング
  • クレーム対応と問題解決

スーパーバイザー資格の受験料は一般価格8,800円、会員価格7,920円で合格率は約79%です。スーパーバイザー資格取得者は管理職としての実力を証明でき、キャリアアップの可能性が広がります。
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オペレーションマネジメント資格

オペレーションマネジメント資格は、5年以上の経験を持つセンター長やマネージャークラスを対象としたプロフェッショナルレベルの資格です。オペレーションマネジメント資格は、コンタクトセンターの運営管理に関する高度な知識と技能を評価します。

オペレーションマネジメント資格の受験料は一般価格16,500円、会員価格14,850円です。オペレーションマネジメント資格の合格基準は選択問題でスコア500以上、記述問題で正答率70%以上です。オペレーションマネジメント資格の合格率は約44%と難易度が高く、受験者は十分な準備が求められます。

コンタクトセンター運営分野の出題割合が65%を占めるため、実務経験者は経験を生かした学習が効果的です。オペレーションマネジメント資格の有効期間は3年間で、更新には継続的な学習が必要です。オペレーションマネジメント資格に合格すると、キャリアアップの可能性が高まります。

コンタクトセンターアーキテクチャ資格

コンタクトセンターアーキテクチャ資格は、コンタクトセンター検定の中で最上位に位置づけられている資格です。コンタクトセンターアーキテクチャ資格は、センターの新規構築や新システム導入における業務設計能力を評価します。コンタクトセンターアーキテクチャ資格の特徴は以下のとおりです。

  • 受験資格は実務経験5年以上
  • 構築分野の出題割合が60%
  • 記述問題では構築関連の実践的な知識を評価
  • 資格有効期間は3年間で更新制
  • 年1回の実施で受験機会が限定的

コンタクトセンターアーキテクチャ資格の受験料は16,500円と高額ですが、取得者は高度な専門性を証明できます。コンタクトセンターアーキテクチャ資格はITベンダーの営業担当者なども受験対象になっており、幅広い分野の方が挑戦しています。

コンタクトセンター検定の試験内容と出題範囲

コンタクトセンター検定では資格レベルごとに異なる出題範囲が設定されています。コンタクトセンター検定の試験内容と出題範囲を解説します。

コンタクトセンター検定の科目と出題範囲

コンタクトセンター検定の出題範囲は、CMBOKの12分野から構成されています。コンタクトセンター検定の主な出題分野は以下のとおりです。

  • コンタクトセンター戦略
  • カスタマーサービス
  • CRM戦略
  • オペレーション
  • センターアーキテクチャ
  • ICTマネジメント
  • コンタクトセンターの監査
  • コンタクトセンターの職能スキル
  • PCスキルの基礎
  • 職業人としての個人の資質と行動
  • ヒューマンリソースマネジメント

コンタクトセンター検定試験では実務に即した問題が出題され、現場で直面する課題への適切な判断力が問われます。エントリー資格では基礎知識が中心ですが、上位資格では専門的な内容が増えます。

コンタクトセンター検定の試験形式と時間配分

コンタクトセンター検定の試験形式は、資格レベルにより異なります。オペレーションレベルはCBT形式の選択問題、プロフェッショナルレベルは選択問題に加えて記述問題も出題されます。コンタクトセンター検定の各試験形式と時間配分は以下のとおりです。

  • エントリー資格:50問/50分
  • オペレーター資格:80問/90分
  • スーパーバイザー資格:80問/90分
  • オペレーションマネジメント資格:選択80問+記述7問/各120分
  • コンタクトセンターアーキテクチャ資格:選択80問+記述7問/各120分

コンタクトセンター検定に合格するには、時間配分を意識した問題演習を心がけましょう。プロフェッショナルレベルでは記述問題の配点が高く、合否に直結するため入念な対策が重要です。

コンタクトセンター検定の合格基準と採点方法

コンタクトセンター検定の採点は、項目応答理論にもとづく評価方法を採用しています。協会は受験者の能力を200~800のスコアで表し、500以上を合格ラインとしています。コンタクトセンター検定の採点方法の特徴は以下のとおりです。

  • 問題の難易度を考慮した能力値を算出する
  • TOEICと同様の公平な評価システムがある
  • 年度による難易度差を排除している
  • プロフェッショナルレベルは記述問題の正答率が70%以上必要になる
  • 合否のみ通知で詳細な得点は非公開になっている

コンタクトセンター検定の各資格の合格率はオペレーションレベルで70~80%、プロフェッショナルレベルで44%程度です。

コンタクトセンター検定の受験資格と申し込み方法

コンタクトセンター検定は、資格レベルに応じて受験資格が設定されています。コンタクトセンター検定の受験資格と申し込み方法を解説します。

コンタクトセンター検定の受験資格

コンタクトセンター検定の受験資格は、資格レベルにより異なります。各レベルの受験資格は以下のとおりです。

オペレーションレベル
(エントリー・オペレーター・スーパーバイザー)
プロフェッショナルレベル
(オペレーションマネジメント・コンタクトセンターアーキテクチャ)
受験資格制限なし
誰でも受験可能
受験資格制限なし
誰でも受験可能
認定申請不要認定申請必要
検定試験合格のみで資格取得・業務経験5年以上
・7分野のうち最低2分野での経験
・必須分野での経験2年以上
・資格は3年ごとに更新

プロフェッショナルレベルの認定申請では、業務経験の証明書や倫理綱領への宣誓書の提出が必要です。認定審査手数料は11,000円で、審査に合格すれば資格が認定されます。

コンタクトセンター検定の申し込みの流れ

コンタクトセンター検定の申し込みの基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 公式サイトで試験日程と会場を確認
  2. Odyssey IDの登録(初回のみ)
  3. 受験申し込みと必要事項の入力
  4. 受験料の支払い
  5. 受験票の受け取りと内容を確認

オペレーションレベルはCBT試験会場への直接申し込み、プロフェッショナルレベルは協会への申し込みが必要です。オペレーションレベルは随時受験可能です。プロフェッショナルレベルは年1回の実施のため、受験者は申し込み期間を逃さないよう注意しましょう。

コンタクトセンター検定の受験料と支払い方法

コンタクトセンター検定の受験料は、資格レベルにより3,850~16,500円まで幅があります。協会の会員は10%割引が適用されるため、複数回受験する方は会員登録がお得です。コンタクトセンター検定の受験料の支払い方法は以下のとおりです。

  • クレジットカード決済
  • コンビニ決済
  • 銀行振込

支払い後の受験料は原則返金不可のため、申し込みは日程調整を慎重に行いましょう。クレジットカード決済なら即時処理されるため、試験日が迫っている方でもすぐに申し込みを完了できます。

コンタクトセンター検定の効果的な勉強方法

コンタクトセンター検定に合格するには、計画的な学習が欠かせません。コンタクトセンター検定の勉強計画の立て方や、おすすめの勉強方法と教材について解説します。

コンタクトセンター検定の勉強計画の立て方

コンタクトセンター検定の勉強計画のポイントは以下のとおりです。

  • 試験日の2~3か月前から準備開始
  • 週10~20時間の学習時間確保
  • 平日2~3時間、休日4~5時間の配分
  • スキマ時間の有効活用
  • 定期的な模擬試験で進捗確認

オペレーションレベルなら10~50時間、プロフェッショナルレベルなら50~100時間の学習時間が目安です。コンタクトセンター検定の受験者は無理のない計画を立て、継続的に学習を進めましょう。

コンタクトセンター検定のおすすめの勉強方法と教材

コンタクトセンター検定の効果的な勉強方法は以下のとおりです。

  • 公式テキストを繰り返し読み込む
  • 試験対策テキストで問題演習を解く
  • 実務経験と理論の結び付けを行う
  • 業界用語をまとめたノートを作成する
  • オンライン学習サービスを活用する
  • 勉強会やグループ学習に参加する

一般社団法人日本コンタクトセンター教育検定協会が提供する公式テキストがおすすめです。公式テキストは最新のCMBOKに準拠しており、最新の試験問題にも対応できます。

コンタクトセンター検定に関するよくある質問

コンタクトセンター検定に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • コンタクトセンター検定の過去問はどこで手に入る?
  • コンタクトセンター検定に落ちても再受験できる?

コンタクトセンター検定の過去問はどこで手に入る?

コンタクトセンター検定は試験問題を公開していないため、公式の過去問集は販売されていません。過去問の代替になる教材は以下のとおりです。

  • 公式テキストCMBOKの例題
  • 試験対策テキストの演習問題
  • 受験対策セミナーの配布資料
  • オンライン学習サイトの模擬試験
  • 受験経験者のブログや口コミ情報

受験者が複数の教材を組み合わせて学習すれば、コンタクトセンター検定の出題傾向や難易度を把握できます。

コンタクトセンター検定に落ちても再受験できる?

コンタクトセンター検定は、不合格でも、何度でも再受験できます。受験の回数制限や待機期間はないため、受験者は準備が整い次第すぐに再挑戦が可能です。コンタクトセンター検定を再受験する際は、受験料を再度支払う必要があります。

コンタクトセンター検定の不合格者は経験を生かし、弱点を補強して臨みましょう。多くの方が2回目、3回目の挑戦でコンタクトセンター検定の合格を勝ち取っています。

まとめ

コンタクトセンター検定は、コールセンター業界で働く方のキャリアアップに役立つ重要な資格です。コンタクトセンター検定は、エントリーレベルからプロフェッショナルレベルまで5つの資格があります。受験者は経験に応じて段階的にスキルアップでき、資格取得によって正社員登用や管理職への道が開けます

コールセンター管理者からさらなるキャリアアップを目指す方は、ぜひコンタクトセンター検定に挑戦しましょう。